カリウムを上手に摂取するには、サプリメントの活用も大切ですが、食生活も大切です。食事を選ぶ時に塩分を気にする人は多いですが、カリウムを気にする人はあまりいませんよね。
美容に詳しい女性でも、ビタミンや食物繊維を気にする人は多いですが、カリウムに注目して選ぶ人はほとんどいません。そんな縁の下の力持ち的なカリウムを食事できちんと摂取しようと思ったら、どんな食品を食べればいいのでしょうか?
目次
食品から摂取するなら!カリウムが多く含まれる食品は?
カリウムを含む食品のおすすめは?
カリウムはサプリメントで摂取するのもオススメですが、塩分を早く体外へ捨ててむくみを解消させるのにとても効果的です。食品でオススメなのはアボカド、バナナ、りんごなどです。
その他にも緑黄色野菜やイモ類などにも含まれますのでオススメですが、調理すると水に溶けだしたり熱で失われてしまったりするので、生のままいただけるもののほうが摂取効率が良いのです。
最近ではそのまま食べてOKのサラダやほうれん草などもありますし、煮汁ごといただける鍋料理に緑黄色野菜を入れたりするのは理想的です。また、日本人はあまり好んで食べはしませんが、パセリにはカリウムが非常に豊富です。
食事に添えるだけなので、是非注目してみて下さい。
朝一番はバナナがオススメ!
カリウムは果物の中に多く含まれることが分かっています。一人暮らしをしている人や毎日忙しく働いている人は、果物を買って食べる機会がほとんどないのではないでしょうか?
オススメは、朝食にしっかり果物を加えることで、毎日しっかりカリウムを摂取する方法です。
朝一番はこれから肉体が活動するぞ!というタイミングなので、スタミナ作りにも最適ですし、朝あまり胃が活発ではない時でもすんなり食べやすいのが嬉しいですよね。
そんなタイミングならなんと言ってもバナナがオススメ。
食物繊維が豊富なので食べている人も多いと思いますが、バナナ1本には約540mgものカリウムが含まれるので、とても良いカリウム補給食品なのです。
お通じにもいいですし、程よい果糖が含まれるので脳のエネルギー補給にも最適。家には常に一房バナナをぶら下げておきたいですね。
人気急上昇!アボカド!
最近、とても身近になった果物がアボカドです。アボカドは野菜だと思っている人も多いですが、れっきとした果物で、果樹の実だということを知っていましたか?
バナナのようにそのまま丸かじりというわけにはいきませんが、サラダに加えるとアボカド半分で約440mgものカリウムを摂取することが出来ます。
1個丸々は多すぎですが、生のまま食べられますし、朝昼晩いつでも食事にピッタリのカリウム食品です。
南国生まれのキウイフルーツ!
コンビニでも手軽に買えるようになったキウイフルーツは、デザートにしてもスムージーにしてもピッタリのカリウム食品です。
含まれるカリウム量はさほど多くはなく、ちょっと大きめで140mg程度のカリウム摂取が可能ですが、食物繊維も豊富ですし、ビタミンCの宝庫なので、美容と健康に嬉しい美味しいフルーツです。
旬の時期にはとてもリーズナブルで、たくさん買い置きしておいても冷凍してしまえばジャマにはならないのでとても重宝します。
甘くて美味しいさつまいも!
カリウムが多い野菜の代表格はさつまいもです。
イモ類にはカリウムは多いので、じゃがいもでも里芋でもたくさん食べるのは良いことですが、特にさつまいもがダントツのカリウム食品なのでオススメですね。
ただし、さつまいもに限らず、イモ類を生でいただくのはさすがにちょっとムリ。カリウムが水に溶け出す以上、茹でるよりも「焼き」や「蒸し」にするのがオススメです。
一般的な大きさのさつまいもなら1個で約450mgのカリウムを摂取出来ます。
生でいただくサラダほうれん草!
ほうれん草はカリウムが豊富な食品なのですが、茹でてしまうとカリウムが失われるため、オススメはそのまま生で食べられるサラダほうれん草です。
臭みやえぐみ、苦味などもなく、本当にレタスのように生でサクサク食べられてしまうサラダほうれん草は、カリウム摂取にはもってこいの食品。
50gで約300mgのカリウムを摂取出来ます。
普通のほうれん草をいただく場合は、あまり長い時間茹で上げないで、さっと湯にくぐらせる程度であればカリウムをそこまで損なわずにいただけます。一番いいのは冷凍してしまうことで、解凍するだけでおひたし風になるので便利ですよ。
カリウムの必要な1日の摂取量と目安量
必要なカリウムの摂取量は?
厚生労働省は、日本人が食事からどのような栄養素をどれくらい摂取するのが健康維持に望ましいのか定期的に調査し、公式に発表しています。
その「日本人の食事摂取基準」の2015年版の厚生労働省の資料(pdfファイル)を見るとカリウムを1日にどれくらい摂取すればいいのか目安が掲載されています。
資料では年齢にかかわらず男性は目安量が2,500mg/日、女性は2,000mg/日のカリウムを摂取するのが望ましいということになっています。
これがどれくらいの量かと言うと、男性なら普通サイズのバナナを毎日5本食べる計算になります。アボカドなら1日4個、それくらい平気だという人もいるかもしれませんが、さすがにそれを365日永遠に続けることは出来ませんね。
そんな場合はカリウムサプリメントを利用するのがおすすめです。

細かく年代別に目安量を見て行くと、やはり男女とも15歳から18歳くらいの育ち盛りに大量に必要だということがわかります。この年代の若者がインスタント食品やファストフードばかりを食べているとしたら、ナトリウムが過剰になり過ぎて、かなり大問題ということになりますね。
カリウム摂取の目安量と目標量の違い
カリウムの日本人の食事摂取基準を見ると、目安量の他に目標量というものが定められています。
他の栄養素では、推奨量という表現がされているものもあるのですが、カリウムの場合は絶対に必要な量が算定出来ないため、目安量という表現になっているのです。
意味的には目安量と推奨量とは同じものと考えて良いでしょう。
これに対して目標量は、生活習慣病を予防するために必要な量とされています。栄養素の摂取基準は算定がとても難しく、国ごとに量が大幅に違う場合も少なくありません。
厚生労働省は日本人を基準とした判断でカリウムの摂取目安量を決めているのですが、これに対してWHO(世界保健機構)は、高血圧を予防するために必要とするカリウム量を、1日3510mgと発表しています。
日本の目安量とは1,500mg近く開きがありますので、これはちょっと差が大き過ぎますよね。そこでこの差を埋めるために目標量という別の数値を設定しているのです。
日本の成人の中央値は、1日2201㎎なので、WHOの高血圧予防ラインには開きがあります。ただし、実際には民族的な体重比などもありますし、食生活の違いもありますので、目標量は参照値として考えればいいでしょう。
上記の表の(D)に当たる部分が目標値です。つまり男性は3,000mg/日、女性は2,600mg/日くらいを1日の摂取量の目標にしましょうという事です。
それにも個人差がありますし、食生活でナトリウムの摂取が多い人、汗をかきやすい人、アルコールをたくさん飲む人、濃いお茶やコーヒーをたくさん飲む人などは、より多くのカリウム摂取が必要と考えられます。
年齢と共に血圧の上昇が見られる人も、カリウムの摂取に積極的になったほうが良いでしょう。カリウムには筋肉を正常に保つ効果もあるので、健康な肉体を保つためにも更年期の男女には大切な栄養素です。
カリウムに危険性はある?取りすぎによる副作用は?
現代人はカリウム不足だとここまで言われると、たくさん摂取しなければいけないような気がしますよね。でも、どんな成分でも過ぎたるは及ばざるが如し、一時に大量摂取すると結局は体内のバランスを崩してしまいます。
もしカリウムを過剰摂取してしまうとどうなるのでしょうか?
何か危険性や副作用はあるのでしょうか?
ちなみに、厚生労働省の定める日本人の食事摂取基準では、カリウムの上限量設定は特にありません。一般的な食品からカリウムを摂取したとしても、特に健康上の問題につながるような過剰摂取は起こらないと判断しているからです。
ただし、すでになんらかの疾患がある人はもちろん別です。
カリウムが関係するのは腎機能ですので、腎臓が正常であることが大前提です。腎機能に異常がある場合、カリウムの過剰摂取は場合によっては心停止を引き起こすほど重大な問題につながる危険があります。
問題がないのはあくまでも健康な人ということを認識して、十分に注意が必要です。
カリウムの過剰摂取による危険性
まず最初に、カリウムは基本的には人体に安全性の高い物質であり、大量に摂取しても、腎臓が正常に機能していれば余分なカリウムは適切に排泄されることを認識しておきましょう。
体内に入れることが危険な成分ではないということです。
健康な人がサプリメントなどを目安量を守って摂取する分には、重大な副作用が起こるようなことはないでしょう。問題は、その人の腎臓の処理能力を超える過剰摂取となった場合です。
その場合は健康を害しますので、しっかり頭に入れておきましょう。
基本的に見られやすい症状
カリウムが過剰になった場合、まずは消化器に不調が現れます。主な症状は吐き気や下痢です。気持ちが悪くなって、ムカムカしたり嘔吐したりする場合があります。
また、全身症状としては、身体のだるさ、倦怠感などがあります。
カリウムは筋肉を動かす信号をコントロールする物質でもあるので、力が入りにくくなったり、元気が失われるような感覚になったりする場合があります。
体内の代謝異常や腎機能の異常、ホルモン分泌異常などがあると身体が酸性に傾くアシドーシスが起こります。だるさやむかつきなどの症状が出ることがありますが、もともと何らかの内蔵疾患がある人は注意が必要です。
高カリウム血症
大事なのは摂取したカリウムを問題なく尿として排泄出来るかどうかです。
腎機能が正常ならカリウムを多く摂取しても心配はありませんが、腎機能が低下していると、捨てるべきカリウムがいつまでも血液中に残ってしまうことになります。
この場合、高カリウム血症という病気が問題となります。
カリウムは細胞の中にあるべき物質で、血液中にあるべきものではありません。カリウムがいつまでも血液中に蓄積されていると、不整脈が起こったり心室細動や神経症状が現れる危険があります。
カリウムの排泄能力は高く出来ているので健康な人なら問題が起こることはほぼありませんが、もしカリウムの摂取で手足にしびれが出るような感覚があれば、カリウムの摂取は止めてすぐに病院に行って下さい。
どんな症状があれば危険?
健康診断を定期的に受けていれば、腎臓の状態を確認出来ますが、自分がどういった状態なのかわからずにカリウムを摂取してしまった場合、知らない間に過剰症の症状が出る場合があります。
例えば、カリウムサプリメントやカリウムが豊富な健康茶などを飲むと熱っぽくなる、うずくような痛みが出る、だるくなる、身体のどこかにしびれが出る、めまいが出る、低血圧になり、不整脈が出る、吐き気がする、筋肉が動かしにくくなるといった症状が少しでもある場合には、厳重に注意して下さい。
高血圧の薬を飲んでいる人は特に注意です。
その他むくみ解消のために摂取したい食品
柑橘類
柑橘類には新陳代謝を促すクエン酸が多く含まれ、体内の老廃物を排出するのに役立ちます。血行も良くなりますし、冷え性の改善効果もあると言われていますので、グレープフルーツやレモンなどを食べると良いでしょう。
また、リコピンで有名なトマトにもクエン酸が含まれます。美容面でも積極的に摂りたい食材ですね。
ウリ科の食品
ウリ科の食品にはサポニンが多く含まれています。サポニンは利尿作用があるためむくみ改善にはとても効果的で、体内の水分コントロールにも効果があると言われています。
ウリ科と言えばスイカですが、スイカは利尿作用が高く非常に理想的な食品です。また、きゅうりや瓜、とうがんなどウリ科全般はむくみやすい人にはオススメの食品です。
ビタミンEを含む食品
ビタミンEはアンチエイジングの栄養素とも言われますが、体内のナトリウムを排出するのに役立つので、むくみ解消にはピッタリの栄養素です。アーモンドやオリーブオイル、プルーンなどに豊富ですが、アボカドにも含まれるので理想的な食品です。
ビタミンB群を多く含む食品
ビタミンB群は健康維持に非常に重要な栄養素ですが、特にビタミンB1は血液サラサラ効果や疲労回復効果があるのでオススメの成分です。
豚肉や豆腐などの大豆加工食品に多いので毎日摂取したいですね。
ビタミンB6はホルモンバランスを整える効果があるので、更年期のむくみや生理前のむくみには効果的です。大豆製品の他、鶏肉や鮭、とうもろこしに豊富です。
ポリフェノールを含む食品
ポリフェノールが身体に良いことはすでに良く知られたことですが、血液サラサラ成分なので血行が良くなり、むくみ解消につながります。
お酒が好きな人なら赤ワインがオススメですが、飲み過ぎは逆効果ですし、塩分の高いおつまみも逆効果なのでご注意を。カカオにも豊富なのでコーヒーやチョコレートも良いのですが、嗜好品は過剰摂取しないようにしましょう。
巡りを良くする食品
むくみの原因はさまざまですが、体内の巡りが悪くなっていることは事実なので、巡りに良いと言われている食品には注目出来ます。例えば、お酢は一時期ブームになりましたが、血液をサラサラにして利用効果を高めるのに黒酢などを活用するのも良いでしょう。
桃や黒豆も血行促進に良いと言われる食品です。
また、腸内環境を改善して巡りを良くする食品としては、腸内の善玉菌を活性化させるオリゴ糖や乳酸菌を含む食品も理想的な食品です。
大切なのはとにかく溜めないこと、老廃物はしっかり出すことなので、便秘解消に良い食物繊維なども内蔵をスッキリさせて血液循環を良くするのに効果的な食品と言えるでしょう。