特に何をしたつもりもないのに足がむくんでびっくりしたという経験、ありませんか?
1日中パソコンに向かってデスクワークをしていただけなのに、夜自分の足を見てなんだか2周りほど太くなったような違和感が・・・。
試しに指で押し込んでみたら、低反発まくらのように戻って来ない!むくんでるぅ~!よく考えてみたらなんだか足が冷たいし、ふくらはぎもパンパンになっているみたい。足がむくんでいると太く見えるしすぐにでも何とかしたいもの。
そもそもどうしてむくみが起こるのか、そのメカニズムを知ってまずは原因を知っておく必要があるでしょう。
目次
足のむくみがひどい原因と起こるメカニズム
むくみは医学的な症状で浮腫(ふしゅ)と言います。どうして起こるかと言うと、血液の循環に問題が起こっているからです。血液は体内を巡って水分と栄養分を細胞へ届け、要らなくなった水分を回収してまた心臓に戻って来ます。
届けるほうは動脈、回収するほうは静脈とリンパ管で、むくみは回収側に問題がある場合に起こる症状です。むくんだ足はどうしてパンパンになっているかというと、血管から水分が染み出して溜まっているからです。
むくんだ足を押すと低反発素材のようにへこんで、時間をかけて戻って来ますが、あれは細胞間に水が染み込んでいるからなのです。
本来は、静脈やリンパ管から心臓に戻されるべき水分が、途中でスムーズに流れなくなってしまうことで滞留し、そこから外に漏れ出している状態。血液が溜まれば当然圧力も上昇しますし、血管の外の細胞間に水が染み出るというのは、非常に不健康な状態です。
足のむくみが起こる原因は?
足にはポンプ機能があり、通常は血液を心臓に押し戻す力を持っています。
起きていると血液は重力で下半身に溜まりやすくなりますが、筋肉を収縮させることで溜まった血液を心臓へ戻すことが出来るようになっています。
ただ、長時間同じ姿勢で立っていたり、デスクワークで固まっていると、筋肉の力が重力に負けて血液が溜まり始めます。
足のむくみの原因は、ずっと同じ姿勢でいることや、足の筋肉が衰えていること、冷えなどで血行が悪くなっていることがほとんどです。
足のむくみは水分の異常な増加
「むくみ」とは一体何かと言えば、水分の異常な増加だと言えます。つまり、足がむくんでいる時というのは、足の中の水分が異常に増えている状態だということになります。
いわゆる太ったという状態は脂肪が増えている状態ですから、水が増えているのは肥満とは異なります。
でも、むくみだけでも体重が5kgから10kgも増えてしまう場合もあり、びっくりするほど見た目が変わってしまう場合もあるのです。水分が増加する原因は、水を飲み過ぎることだったり、足に下りた血液が心臓まで戻せない状態にあったりすることが考えられます。
足の筋肉が弱い、衰えている
血液を上半身に戻すには、ふくらはぎの筋肉でポンプのように押し戻す力が必要です。
足には老廃物を流すリンパ管もリンパ節もたくさんありますが、その中のリンパを押し上げるにも、ある程度の筋肉の力が必要で、足をずっと動かさず筋肉を使わない生活が続くと、足首やふくらはぎにある筋力が衰えてうまく押し戻すことが出来なくなります。
そうすると重力に負けて足の中の水分や血液が溜まってしまい、足がむくんでしまうのです。
足のむくみは食事内容の影響もかなり大きい
足のむくみを助長するのは、水分の摂り過ぎや塩分の摂り過ぎです。水分も塩分も必要なものですが、過剰になると血液の中の水分量を増やすことになります。
食生活を特に気にしないで生活している人は加工食品や保存食品をたくさんとるので、ナトリウム(※ナトリウムは塩分に多く含まれる成分)を過剰に摂取してしまっています。
そうなるとカリウム不足にもなりますし、血圧も上がるので血管の外に水が漏れ出しやすくなり、内蔵にも負担が大きくなります。塩辛いつまみでアルコールをたくさん飲んだ次の日などは、足と言わず全身がむくみやすくなるのは当然のことなのです。
ひどいむくみ・・・病気の可能性も
むくみが出る病気には、腎臓病があります。
腎臓は尿を出す器官なので、うまく尿として水分を捨てられないことがむくみにつながっているのではないかと疑われるからです。
また、そうでなくても足がむくむことで病気が新たに引き起こされる場合もあります。
足に溜まった血液が染みだして足が黒ずんでしまったり、血栓が出来たり静脈の血液が逆流してしまったりする場合もあります。いずれにしても、放置していて良いものではありません。
足のむくみをチェックする簡単な方法
ふくらはぎがだるいとか、なんとなく重いという場合、むくみが出ているかどうかチェックする必要があります。
ふくらはぎのむくみがパッと見でわかるほどであればかなり重症ですが、そこまでハッキリわからないほどのむくみは、気付かないうちに起こっていることも多いのです。
「自分は足なんかむくんだことない」と思っている人でも、実は本人が気付いていないだけというケースもあります。いつもの自分の足の太さを把握していて、マメにチェックしておけば、太ったのかむくみなのかの区別も付けやすいでしょう。
足のむくみチェックする簡単な方法
ふくらはぎがむくんでいるかどうかは、20秒くらい指の腹で押し込んでみて、戻って来るまでの時間を確認するのが一番早い方法です。
見て分かりやすいのはすねの骨のすぐ横あたりですが、気になる部分ならどこでも押し込んでみると良いでしょう。
ふくらはぎ以外だと、意外に足の甲がむくんでいる時もあります。
押した時にもウレタンを圧すような感触がありますし、指を離してもなかなか戻って来ないので、低反発まくらを押した時のような状態になります。
むくみではない場合は?
指で押し込んでみてもすぐに戻って来るようなら、それはむくみではない可能性が高いです。
その場合は指で肉をつまんでみて、表面の状態を見てみましょう。デコボコとした夏みかんの皮のようなものが見えれば、それはセルライトの可能性が高いです。
つまんでも出てこない場合は、そのままねじってみるとデコボコが出てくる場合もあります。
筋肉か脂肪なのかどうかを確認
足についている肉が脂肪なのか筋肉なのかを確認するには、立った状態で肉がつまめるかどうか確認すると良いでしょう。
力を入れている状態で固くなるのは筋肉で、力を入れてもつまめるのが脂肪や皮です。
しっかり足に力を入れてもかなりつまめる場合には、脂肪の層がかなり厚くなっている可能性があるので早めにシェイプアップを心がけたほうが良さそうですね。
日常生活でできるむくみの予防方法
日常生活の中で無理なくむくみを予防する方法についてまとめておきましょう。
定期的な運動やエクササイズが出来ればそれが一番ですが、無理な計画を立てても結局やらなければ同じになってしまいます。あまり構えなくても、ちょっと意識していればむくみは予防出来ます。
家でも仕事場でも出来る簡単な足のむくみ対策方法をご紹介します。
貧乏ゆすり上等!とにかく足を動かすこと
椅子に座っていても、立っていても、同じ姿勢でずっとフリーズしていると足が非常にむくみやすくなります。
貧乏揺すりは良くありませんが、気がついた時にこまめに姿勢を変えたり、足の指をグーパーグーパーと開いたり閉じたりするだけでも足の疲れやむくみは起きにくくなります。
足のかかとを上げ下げするだけでも、続ければかなりの運動になります。立ったままでも座っていても人知れず出来ますので、気がついたらつま先立ちをしてみましょう。
家でのんびりリラックスしている状態でも、足を曲げたり伸ばしたり、意識して形を変えることは大事です。
ずっと同じ姿勢で座りっぱなしだったり、寝そべったりしていると、体内の循環が悪くなって身体のどこかしらにむくみが出る場合があります。
毎日入浴する
一番良いのは毎日ゆっくり入浴することです。ただ、時間が無くてシャワーだけという人もいるでしょう。
例えシャワーでも、身体を洗いながらしゃがんで足をマッサージしたり、足の指や裏をしっかり洗ったりすることで足のケアは出来ます。
単に立ったまま身体を洗って足先はおざなりにするのではなく、しっかりケアしてあげましょう。
水分を摂り過ぎない
ダイエットに良いと言われて毎日大量に水を飲んでいる人は、むくみ予防のためにはちょっと考えたほうが良いでしょう。
人間の身体は水を代謝するにも時間がかかりますので、汗をかくくらいの労働をしない限りは、あまり水分を大量に摂るのは良くありません。
アルコールの摂取も同じことで、寝る前にたくさんアルコールを飲むと翌日体中がむくむ場合があります。水分はほどほどにしておきましょう。
カリウムなど足のむくみに効く成分を摂取する
カリウムは塩分を排泄出来る作用があるので、むくみ対策に非常に良い成分です。
カリウムで足のむくみの対策と予防
むくみは体内の水分コントロールがうまく行っていない場合に起こりますが、そこにはミネラルのカリウムが深く関係しています。
カリウムは人間には欠かせない栄養素ですが、特にナトリウムとの関係は深く、拮抗する状態(※同じだけの勢力をもってバランス良く存在する状態。)にあることが分かっています。
ナトリウムは主に細胞の外側に、カリウムは細胞の内側に存在し、お互いにバランスを取りながら一定の濃度を保っています。ナトリウムは塩分に多く含まれる成分ですが、塩分の摂り過ぎはむくみを引き起こしますよね。
細胞内液にあるカリウムと細胞外液にあるナトリウムのバランスが崩れるとむくみが起こるのですが、おおむね過剰になるのはナトリウム側で、ナトリウムを薄めるために細胞が水分を溜め込むため、むくみが起こることになります。
現代はカリウム不足の人だらけ
厚生労働省が認めるように、現代日本人はカリウム不足が問題になりつつあります。
これは加工食品や保存食品をたくさん摂取するようになった食生活のせいで、カリウムの摂取不足というよりは、ナトリウムの過剰が増えたことが原因です。
特にカリウム不足になりやすい人は、汗をたくさんかく人やアルコールやコーヒーなど利尿作用の高い飲み物をたくさん飲む人、ダイエットなどで栄養が足りない人、好き嫌いが激しく栄養が偏っている人などです。
これらの生活習慣を改めない限り、カリウム不足は解消せず、むくみやすく疲れやすい体は改善しません。予防のためにも改善のためにも、ナトリウム量を減らし、カリウム量を増やす必要があるのです。
血管の膨れ(ふくれ)がむくみの原因
ナトリウムを過剰摂取したり、偏った生活でカリウムが不足したりすると、細胞の内外のバランスが崩れます。おおむね細胞の外側にあるナトリウムが過剰になるため、それを薄めようと水分を取り込もうとします。
特に血管の細胞でこうした水分の取り込みが起こると、血管の壁が溜め込まれた水分で膨れるため、皮膚の表面からもわかるほど皮膚の下がぶよぶよとしたむくみ状態になります。
ふくらはぎや足の先などは心臓から遠い場所にあり、重力の影響も受けるため溜め込まれた水分を押し戻すことが出来ず、むくみが出やすくなります。
また、顔には組織液やリンパ液などが張り巡らされていますから、そこに水分が溜め込まれると顔が大きく見えるほどのむくみとなって現れます。
カリウムを摂取することで溜め込まれた水分を正常な量に戻せれば、むくみの解消につながるでしょう。

その他足のむくみに良い成分一覧
シトルリン
利尿作用があるシトルリンは、体内に余った水分をすみやかに排泄するのに役立つと言われています。尿素回路を構成する成分で、アミノ酸の一種なので安全性は高いでしょう。
赤ブドウ葉乾燥純エキス
実は足のむくみを改善するための医薬品もあります。
主成分は赤ブドウ葉乾燥純エキスというものですが、基本的にはポリフェノール類などがメインとなる成分です。服用して3週間で30.9%、6週間で55.1%、12週間で82.7%の人がむくみの改善効果があったというもので、しつこい足のむくみに悩んでいる人には効果的な薬と言えるでしょう。
西洋ハーブが日本で医薬品として認められた初めての例ですが、天然由来成分にはむくみを解消する効果がちゃんとあったということですね。
ただし、天然ハーブの中には強い副作用を持つものもあるので、医薬品以外は注意も必要です。
ビタミン
ビタミンB1は水の代謝の促進効果があり、むくみにも有効だと言われています。
ビタミンEはアンチエイジングの効果があり、衰えた筋力のアップや血行の促進に役立ちます。ビタミンB6は、血液サラサラにする効果があり、むくみにくい体質を作るのに有効です。
食物繊維
腸内環境を改善するのに役立つ成分ですが、不要なものを排泄することはむくみ予防に役立ちます。要らないものは速やかに捨てることが大切で、溜め込まない体質作りに効果的です。
乳酸菌
お腹の調子を整えてくれる作用がありますが、老廃物を早く捨てるのに役立つので、むくみ対策にもなります。
リンパマッサージで足のむくみを解消する
足のむくみを取るには、「むくみ取りエステ体験キャンペーンをはしご!」にも書いたようにリンパマッサージがかなり有効です。
流れるべきものが流れていないわけなので、正常な状態に戻してあげるサポートが必要です。リンパマッサージはいろいろと紹介されていますが、リンパの仕組みをちゃんと知っていると、より効果的なケアが出来ます。
リンパとは?
老廃物をうまく流すための仕組みとして、血管と同じようにリンパ管というものが人間の身体の全身に行き渡っています。
新鮮な血液が動脈を通って各部に送られ、細胞ひとつひとつに酸素と栄養を運びますが、細胞で使った後の老廃物は組織液に溶かされて、浄化のために毛細血管から静脈に戻される必要があります。
この時に一部リンパ管を通って行くためにリンパ系という循環があり、リンパ管の中にはリンパ液が流れています。リンパ管にも毛細から太いものまであり、合流地点にはリンパ節があります。
リンパ節はリンパ腺とも言い、免疫抗体やリンパ球を作っています。
細菌を処理したり異物を処理したりする役割があり、最終的には太い管1本になってデコルテのあたりで鎖骨下静脈に流れ込むようになっています。
リンパは不要物の回収して排出
リンパには余分な体液を回収し、排泄に回す機能が備わっています。それと同時に免疫機能も持っています。
ただし、リンパ系が回収するのは実際にはごくわずかで、静脈に取り込み切れない分がリンパ管に流れ込むことになります。
その割合は静脈90%に対してリンパ系は10%程度だと言われていますが、静脈が処理し切れない分をサポートする存在がどれだけ大切かは、ちゃんと理解しなければいけないでしょう。
リンパマッサージは撫でるように
リンパマッサージをする時には力を入れてはいけません。
足には、アキレス腱の両側、膝の裏、太ももの付け根にリンパ節がありますので、足の余分な体液は下から順に上に流す必要があります。
もともと足の筋肉がゆっくりリンパ管を押し上げて、中のリンパ液を流す仕組みになっています。
足を長時間動かさなかったり、筋力が衰えて来たりすることでうまく流れにくいところをサポートするのが目的ですから、筋肉をゆっくりほぐしながらさすり上げるのが正解です。
↓リンパマッサージの効果的な方法は以下に書いてます。

足のむくみには、気付いていない人も少なくありません。
靴が履けないほどパンパンにむくんでしまう位にひどいとさすがに気付きますが、なんとなく足が重い、ダルいと感じていても、疲れているのだろうと放置してしまう事も多いですよね。
軽症の場合は時間と共に解消する事もありますが、一晩寝ても変わらない、むしろ寝起きに悪化しているなど「ひどいむくみ」となると、ちゃんと真面目に向き合う必要があります。日常でできる足のむくみ対策をしっかり行っていきましょう!